第二の聖域

「王舎城」(ラージャ・グリハ)を意味するラージギールはパトナ南12kmに位置する、仏教徒とにとってとても神聖で重要な地。ブッダは12年間この地で過ごした。 今では、知る人ぞ知るインドの行楽地となっており、冬になれば温泉と健康的な気候に皆引き寄せられてくる。 グリッダークータ山(霊鷲山)はブッダがたくさんの説法を行った場所で、その教えが始めて書面に記録された場所だ。 日本人が建てた仏塔のある山頂までは、ロープウェイで登ることができる。

聖地ラージギール周辺には、歴史学的にも考古学的にも重要とされる多くの場所が散在する。 ビンビサーラ刑務所は、仏教徒であったマウリヤ朝の献身的な王ビンビザーラ(紀元前5、6世紀)が老後を送るのに選んだ場所。王はこの場所から、瞑想に入るためにグリッダクータ山を登るブッタの姿を見たといわれている。

グリッダークータ山(霊鷲山)

ブッダが晩年過ごした聖地山。ラジギールの旧王舎城を見下ろす丘の頂上にある。 今もブッダが「常在」する聖所。履物は脱ぐこと。

ブッダは長くここに留まり、多くの大乗経典を解いた。ブッダがクシナガラで入滅される最後の旅の出発はここであり、観無量寿経の舞台でもある。

ブッダは、集まった弟子たちに法華経を説いたとされている。 今でも数多くの仏教徒が訪れ、花や金箔を供えてゆく。 説法台といわれる大きな一枚岩もある。山頂のすぐ下には、弟子たちが住んだ石窟が残る。

温泉沐浴池

4m×4mの正方形。やや浅い。

沐浴池の底は砂利なので、大勢入ると「濁り」って汚く見えるが、人が去ると透明感を取り戻す。

湯量は豊富で、浴槽の湯の循環は早い方。温度は、39~40度前後。 祭りの日や休日以外でも、芋の子を洗うように込む事が多い。しかし全く人がいない状態の時もあり、15~16時頃が比較的空いている。快適に入浴できるかは、運次第。星の出ている夜が雰囲気がいい。 自称サドゥ(僧)がいて、彼に温泉の湯をかけられるとバクシーシ(お布施)を乞われる。 客はインド人(=少しの聖地巡礼客+地元民)だらけで、西欧人など皆無。

温泉沐浴池には管理人のオッチャンがいて、大騒ぎする子供や、ご婦人にちょっかいを出すスケベなインド人男を戒めている。 女性客が多いときは優先で沐浴させてくれる。

その他名所

アジャトゥル城があり、ブッダの入滅(あるいは大般涅槃)を描いた彫刻も美術的、歴史的に重要な遺跡となっている。 体の右側を下にし、右の前腕の上に頭を乗せて横たわるブッダの姿は、偉大な仏教の創始者の最後の解脱を偲ばせる。

治癒力があるといわれているサプトーゥダーラの温泉や、ビンビサーラ王がブッダのために建てたヴェヌヴァン僧房、ブッダの熱心な弟子であり外科医でもあったジーバカのマンゴー果樹園、さらには、ブッダが沐浴したカランダの池などもある。

この地にあるサプダパルの洞窟で、ブッダの大般涅槃の後、最初の仏教徒会議が召集された。 パトナはラージギールから102km、ガヤはラージギールから34km。